会社への損害賠償
■損賠賠償について
◆労災保険との違い
労災保険は、会社の賠償責任を国が代わって行う賠償責任保険であり、
労災が認められると、国から労災保険の給付を受けることができます。
しかし、その給付金額は、今後の生活を続けていくための必要最低限度の給付にすぎません。
過重労働によって過労死や後遺障害を負った場合には、本来、責任を負うべき会社に対して、上記の給付とは別に損害賠償を
請求することができます。
◆損害賠償の内容
会社に対して請求することができる損害賠償の内容としては、
大きく分けて「遺失利益」と「慰謝料」があります。
「逸失利益」とは、本人が死亡又は障害を負わずに健康に仕事を
していれば得ることができたであろう稼得利益をいいます。
「慰謝料」とは、精神的苦痛に対して支払われるものです。
したがって、損害賠償額は、上記「逸失利益」と「慰謝料」を
足した額となります。
■損害賠償額の算定
損害賠償額の算定は「逸失利益」と「慰謝料」とで異なる算定方法で算出します。
また、それぞれ「過労死した場合」と「後遺障害が残った場合」とで、算出方法が異なります。
【逸失利益の算定方法】
●過労死した場合(死亡逸失利益)
健康に働いていれば、本来得られていたはずの収入が、
過労死したことによって失われた収入のことです。
被災前に得ていた収入から生活費を控除し、
就労可能年数に対応するライプニッツ係数を乗じ、間利息を控除して算出します。
就労可能年数は、通常67歳とされていますが、厳格に決まっているわけではなく、
55歳以上の場合は、平均寿命の2分の1程度となります。
◎死亡逸失利益の計算式
死亡逸失利益=(収入‐生活費)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
●後遺障害が残った場合(後遺障害逸失利益)
健康に働いていれば、本来得られていたはずの収入が、後遺障害
によって働けなくなったりして収入が減った場合、その減収分の利益のことです。
治療関係費や看護費、休業損害等も含まれます。
被災前に得ていた収入に労働能力喪失率を乗じ、さらにその労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じ中間利息を控除して算出します。
労働能力喪失割合は、後遺障害等級に対応して基準が決められています。労働能力喪失期間は、通常67歳とされていますが、障害の内容等により変わってきます。
◎後遺障害逸失利益の計算式
後遺障害逸失利益=収入×労働能力喪失率×能動能力喪失期
間に対応するライプニッツ係数
【慰謝料の算定方法】
●過労死した場合
過労死された方が一家のどのような立場であったかによって、
慰謝料の額が変わってきます。
◎一家の支柱の場合
過労死された方の家族が、主にその者の収入で生活をしていた場合です。
この場合の慰謝料は、2600から3000万円となります。
◎一家の支柱に準ずる者の場合
過労死された方が、家事をする主婦や養育が必要な子供を持つ母親、
または高齢な父母等を扶養している者の場合です。
この場合の慰謝料は、2200から2600万円となります。
◎それ以外の場合
上記以外の場合の慰謝料は、2000から2400万円となります。
●後遺障害が残った場合
後遺障害が残った場合は、障害等級に応じて慰謝料の額が変わります。
| 障害等級 | 慰謝料額(万円) | 労働能力喪失率(%) |
| 1級 | 2,500‐3,000 | 100 |
| 2級 | 2,100‐2,500 | 100 |
| 3級 | 1,700‐2,100 | 100 |
| 4級 | 1,450‐1,700 | 92 |
| 5級 | 1,250‐1,450 | 79 |
| 6級 | 1,050‐1,250 | 67 |
| 7級 | 880‐1,020 | 56 |
| 8級 | 730‐850 | 45 |
| 9級 | 600‐680 | 35 |
| 10級 | 470‐550 | 27 |
| 11級 | 350‐420 | 20 |
| 12級 | 240‐300 | 14 |
| 13級 | 150‐190 | 9 |
| 14級 | 80‐110 | 5 |
※なお、上逸失利益や慰謝料の算定はあくまで目安です。
死亡時の年齢や家族構成や障害の程度などによって変わってきます。
■損害賠償請求の方法
会社に対して損害賠償を請求する場合は、労災が認定される前と認定された後、
また会社の対応によっても変わってきますので、
詳細につきましては、一度お問い合せください。
