会社への損害賠償
■損賠賠償について
◆労災保険との違い
労災保険は、会社の賠償責任を国が代わって行う賠償責任保険
であり、労災が認められると、国から労災保険の給付を受ける
ことができます。
しかし、その給付金額は、今後の生活を続けていくための必要
最低限度の給付にすぎません。
過重労働によって過労死や後遺障害を負った場合には、本来、
責任を負うべき会社に対して、上記の給付とは別に損害賠償を
請求することができます。
◆損害賠償の内容
会社に対して請求することができる損害賠償の内容としては、
大きく分けて「遺失利益」と「慰謝料」があります。
「逸失利益」とは、本人が死亡又は障害を負わずに健康に仕事を
していれば得ることができたであろう稼得利益をいいます。
「慰謝料」とは、精神的苦痛に対して支払われるものです。
したがって、損害賠償額は、上記「逸失利益」と「慰謝料」を 障害等級 慰謝料額(万円) 労働能力喪失率(%) 1級 2,500‐3,000 100 2級 2,100‐2,500 100 3級 1,700‐2,100 100 4級 1,450‐1,700 92 5級 1,250‐1,450 79 6級 1,050‐1,250 67 7級 880‐1,020 56 8級 730‐850 45 9級 600‐680 35 10級 470‐550 27 11級 350‐420 20 12級 240‐300 14 13級 150‐190 9 14級 80‐110 5
足した額となります。
■損害賠償額の算定
損害賠償額の算定は「逸失利益」と「慰謝料」とで異なる算定
方法で算出します。また、それぞれ「過労死した場合」と「後
遺障害が残った場合」とで、算出方法が異なります。
【逸失利益の算定方法】
●過労死した場合(死亡逸失利益)
健康に働いていれば、本来得られていたはずの収入が、過労
死したことによって失われた収入のことです。被災前に得て
いた収入から生活費を控除し、就労可能年数に対応するライ
プニッツ係数を乗じ、中間利息を控除して算出します。
就労可能年数は、通常67歳とされていますが、厳格に決ま
っているわけではなく、55歳以上の場合は、平均寿命の2
分の1程度となります。
◎死亡逸失利益の計算式
死亡逸失利益=(収入‐生活費)×就労可能年数に対応する
ライプニッツ係数
●後遺障害が残った場合(後遺障害逸失利益)
健康に働いていれば、本来得られていたはずの収入が、後遺
障害によって働けなくなったりして収入が減った場合、その
減収分の利益のことです。治療関係費や看護費、休業損害等
も含まれます。被災前に得ていた収入に労働能力喪失率を乗
じ、さらにその労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係
数を乗じ中間利息を控除して算出します。
労働能力喪失割合は、後遺障害等級に対応して基準が決めら
れています。労働能力喪失期間は、通常67歳とされていま
すが、障害の内容等により変わってきます。
◎後遺障害逸失利益の計算式
後遺障害逸失利益=収入×労働能力喪失率×能動能力喪失期
間に対応するライプニッツ係数
【慰謝料の算定方法】
●過労死した場合
過労死された方が一家のどのような立場であったかによって、
慰謝料の額が変わってきます。
◎一家の支柱の場合
過労死された方の家族が、主にその者の収入で生活をし
ていた場合です。この場合の慰謝料は、2600から3000万
円となります。
◎一家の支柱に準ずる者の場合
過労死された方が、家事をする主婦や養育が必要な子供
を持つ母親、または高齢な父母等を扶養している者の場
合です。この場合の慰謝料は、2200から2600万円となり
ます。
◎それ以外の場合
上記以外の場合の慰謝料は、2000から2400万円となりま
す。
●後遺障害が残った場合
後遺障害が残った場合は、障害等級に応じて慰謝料の額が変
わります。
※なお、上逸失利益や慰謝料の算定はあくまで目安です。死亡
時の年齢や家族構成や障害の程度などによって変わってきま
す。
■損害賠償請求の方法
会社に対して損害賠償を請求する場合は、労災が認定される前
と認定された後、また会社の対応によっても変わってきますの
で、詳細につきましては、一度お問い合せください。


